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主にアニメ・ゲームネタ(BL含む)をWEB辺境地でほそぼそと書いている、世間で言う「負けモノ」女でございます。 愛を持って書いてるつもりですが、本音と言う名の毒吐きが多いので、心にゆとりがある方のみご覧下さい。m(_ _)m
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GS3をプレイしていて、笑い転げたのは理事長とカレンさんのやり取りと、黒板消しを落とそうとして、失敗し黒板消しでボコボコにたたいたり、大きい三角定規でお尻を叩いた大迫先生です(・∀・)おもろすぎ。三角定規を突き刺さない所に先生の優しさが見えます(笑)←まあ、お下品(*´д`*)

うちのサイトは葉月くんと氷室先生がメインなんで、これ以上自分の首は絞められませんが、理事長の髪型については語りたいと思います!ちょっとダンディーさんの髪型がボサボサだよ!Σ( ̄□ ̄)!あれか!レディにふられたからか!?1stLoveの髪の毛下ろしたステキさんは何処へ…(つд`)

さてさて、またもや氷室先生のお話を性懲りもなく、書いてみました(笑)

続きはこちらをクリックされるか、「猫のにくきゅう」のトップページにも置いてありますので、よろしければ読んでやってください!ヾ(^▽^)ノ

あ、8周年記念SSということで、ただ今フリー配布中で~す♪もしよろしければどうぞ♪ヽ(≧▽≦)/そんな奇特な人あんまいないけどね(^^;)
▽つづきはこちら
「横顔」



もうすぐ、深夜0時を回ろうかとする頃だった。
辺りは寝静まって音もなく、この部屋のクーラーの噴出し口から出てくる風の音と、万年筆を走らせる音しか聞こえない。
そんな中、コンコンと零一の背後で重そうなオーク材の扉をノックする音が響いた。と同時に、それが静かに開いた。
「零一さん、あまり根を詰めるのは身体に良くないです。少し休憩してください。」
入ってきたのはボリュームのあるフリルの付いた白いエプロンを身に付けた女性であった。
手にはコーヒーカップとソーサが乗った直径20cm強の四角い黒いトレーを持っている。
「ああ・・・。すまない。」
零一はそこでやっと顔を上げて、時計を見た。
「何だ・・・、もうこんな時間か・・・。少し熱を入れすぎたようだ。」
零一は、彼女へと振り向いて優しい笑みで迎え入れた。
そして、細い銀縁の眼鏡を外し、眉間の皺を取るように目頭を軽く押さえた。
コーヒーを持って来た女性は、大学を卒業するとすぐに零一と結婚して、まだ1年も経っていないせいか、学生と言っても通用する幼さが残っている。
色素の薄い瞳が微笑む零一を映して、彼女は机の左角にソーサーごとカップを置いた。
「君はまだ寝ていなかったのか。・・・俺のせいですまない・・・。」
先に寝ないで、彼に倣ってまだ起きていた、愛情溢れる新妻ははにかんだ。
「いいえ、平気です。あの・・・、このコーヒー、デカフェって言ってカフェインレスなんで、一度飲んでみてください。」
カフェインが含まれている飲み物は眠りを妨げるという理由で、夜8時以降には零一に出さなかったが、たまに仕事が長引くと、なにか飲み物を、と彼女は考えるようになった。その頃、カフェインレスというコーヒー豆が出回っていることを知った。アルバイトしていた喫茶店のマスターから、カフェインレスの豆を売るお店を教えてもらったので、早速今日彼女は買いに行ったのだ。
覗くつもりはなかったが、作成中の試験問題に目が行ってしまった。
思わず「あれ・・・?」と、口に出してしまった。
用紙の1番上には、【宿題】と書かれてあった。
てっきり受け持っている1年生の期末考査の問題作成だと思っていたので、少し驚いて零一を見つめた。
はばたき学園で数学教師をしている氷室零一は、彼女が在校生の時には、長い休みの間は決まって次学期の期末考査の準備だと聞かされていた。
しかし、予想に反して、これは単なる宿題であった。
否、単なる、ではない―・・・。
彼女は零一の意図を測りかねていた。
無言で、戸惑いながらも訴えるような視線にやっと気付いて、「ああ。」と零一は彼女が立つ方へ椅子を回転させた。
「・・・あの、零一さん?・・・いくら宿題って言っても、こんな難しい問題今の1年生では解けないと思うんですけど・・・。」
向き合った彼女は、口ごもりながら言葉にした。
「その通りだ。君もわかったと思うが、これは普段の勉強しかしていない高校生では解けない。」
彼女は大きく目を見開いたまま、しばらく言葉に詰まった。
楽しくて仕方が無いと言った顔で、零一は不敵に笑む。
「・・・でも・・・!これ宿題に出したら、赤点続出ですよ。この問題は全部一般では習わないものばかりです。難しすぎます。私は無理です。」
一流大学の理数系に進学する生徒なら何とか―・・・と言ったところだ。
ほんの1年前までは現役の大学生だった彼女は、難度の非常に高い問題集を作成している零一の意図が掴(つか)めない。
零一は眼鏡を机の専用スタンドに挿(さ)し込むと、軽く息を吐いた。
「ああ・・・。これは流石の君でも解けなかったな。」
女の子が一度大きく頷く。
「はい。確か解いたのは、葉月くんと守村くんしかいなかったって、後から零一さんに教えてもらいました。」
零一は一息入れようと、コーヒーカップを皿ごと自分の手元に引き寄せた。

これは零一の、言わば、心に湧いたほんの小さなイタズラ心と言っていい。
はばたき学園きっての秀才と謳(うた)われた守村桜弥と、スポーツ万能で成績優秀、天才肌の葉月珪への、高い知能への純粋な興味が湧いたのだった。
高校生では習わないが、だが、あるいは―この二人なら―と、まるで休みを待つ子供のようにわくわくしながら、数学教師としての挑戦状を、二人に叩き付けた。
冬の学期末考査で、期待通り、彼ら二人はあっさりと勝利した。
二人が自分の作成した問題を解いたということが、零一の数学教師としてのプライドに火をつけたらしく、彼らが卒業してからはずっと、試験用紙の最後に問題Ⅹを付け加えている。
解けないものしかいない中で、いつか問Ⅹの正解を書く者が現れることを期待しながら。

「あの二人以外解けないと思っていたんだが、この前の期末テストで問Ⅹを解いた生徒が現れた。」
言い終わると同時に、カップに口を付けた。挽きたての豆のいい匂いが鼻をくすぐる。
『君の淹れてくれるコーヒーはいつも美味い・・・。』
この美味しさはきっと、彼女の愛情がこもっているからだと、柄にもなく思っていた。
教師の厳しい顔ではなく、ただ一人の女性を見守る夫の顔がそこには表れていた。
そんな想いを知らずに、彼女は楽しそうに言った。
「ええ!すごい生徒さんですね!・・・もしかして、玉緒くんですか?」
カップを口から離して、彼は顔を小さく横に振った。
「いや、彼ではない。紺野より一学年下の男子生徒だ。」
「へえ~。じゃあ、その男の子が1年の学年トップなんですね。」
そんな難問を解いた生徒だ。普通なら、学園でもトップクラスに入るのが当たり前だった。
何気なく彼女から言われた一言で、いきなり零一の顔が曇った。
「残念ながら違う・・・。彼は現国が赤点のせいで、1番ではない・・・。・・・大変惜しいものだ・・・。」
「そんなことないですよ!すごい生徒さんじゃないですか!」
言葉を段々濁し始めた零一の異変をまだ彼女は気付かず、純粋に素晴らしい才能を褒めていた。
「俺もそう思って、厳しく指導したいのだが・・・どうも彼は・・・。」
呟いた途端、和らいだ表情が一変し、彼はコーヒーを飲む時よりももっと苦々しい顔をしていた。
眉間に深いしわを作り、深いため息をついた後言葉が途切れた―。

陽射しが厳しくなり始めた7月、一年生にとっては初めての学期末考査で、問Ⅹを解いた者を発見した。
名前を即見た。「桜井琉夏」と書かれてあった。
問題児だが、彼にはすごい才能があると見抜いた零一は、丁度廊下を歩いている所を発見した。声をかけると、急に逃げようとしたので、咄嗟に耳を掴んで止めさせた。
淡い金色に根元から染めて、肩甲骨までかかりそうな長い髪を持つ桜井琉夏は、いつも周囲から良くも悪くも注目されている。
ところが、彼は零一が話を切り出そうとした途端、2階の窓から飛び降りてしまった。
「何たる野生児だ・・・。」
零一は唖然として、突拍子もない行動をすることに頭を抱えた。だが、彼には耐性がついていた。葉月や鈴鹿などの問題児を抱えた3年間で培(つちか)った忍耐力もある。
『何より・・・1番手を焼かされた君が3年間俺の受け持つクラスにいたからな・・・。』
目の前に立つ女性を、ちらりと見上げた。
「・・・・?」
零一の思惑に気付かず、視線ににこりと微笑んで彼女は尋ねた。
「もしかして零一さん、桜井琉夏くんと”また”何かあったんですか?」
今度は、零一が目を大きく開いて見つめる番だった。
「いや、何でもない。・・・大丈・・・ん?どうして、君が桜井琉夏のことを知っている!?俺は一言も名前を言っていない筈だが・・・。それに”また”とは、どういう意味だ!?」
思いもよらない言葉に、零一は思わず口に含んでいたコーヒーを一気に喉に流してしまった。いきなり首から胸の辺りが熱く感じる。
「だって、尽が言ってました。今年のルーキーは変わった兄弟がいるって。桜井兄弟に玉緒くんがすっごく苦労しているって。」
彼女は無邪気に答えを教えた。
現2年生の生徒会長である紺野玉緒と零一の妻の弟である尽とは、小学4年生からの仲の良い友達である。
『しまった・・・。東雲の存在を失念していた・・・。』
心の中で呟いた零一は、慌てていることを隠して、コーヒーを飲むふりをして彼女を伺い見た。
彼女は相変わらず柔らかな笑みを浮かべている。心なしか、楽しそうだ。嫌な予感が零一の胸をよぎった。
「・・・俺のことで、・・・彼から余計なことは聞いていまいな・・・?」
自分の義理の弟なのに、はばたき高校に通う生徒と教師の関係で、彼は律儀に尽とは呼ばず、必ず妻の旧姓で呼ぶ。
「そうですねえ・・・。最近だと・・・、零一さんに廊下で呼び止められた桜井琉夏くんが、いきなり2階の窓から飛び降りて逃げたって。その時の義兄さんのポカンと口を開いた顔、おもしろかったぜ~。姉ちゃんにも見せてあげたかった~って言ってました。」
彼女にとっては、卒業してから見ることの出来ない教師としての零一の話を聞けるのは嬉しいという理由だったが、彼には身体のあちらこちらがこそばゆいような、気恥ずかしさがある。
「そんなことは、どうでもよろしい・・・。それより、東雲は紺野と違って、口が軽すぎる。君からも少し注意してやってくれ。」
それを聞いた女の子は言い返した。
「は~い。でも、零一さんを怒らす生徒なんて、私の時からいたじゃないですか。」
言われて、零一の記憶は過去へと遡る。
彼女がはばたき学園の生徒として入学してきた時から、卒業するまでの3年間、冷静でいられなかった自分がいた。
最初は小さな異分子程度にしか思えなかった存在は、徐々に彼の心の奥底まで恋という未経験の感情で侵した。やがて、自分の行動全てをそれが支配するまでになった。
「そうだな・・・。君には散々世話を焼かされた・・・。」
この言葉は、かつて、彼女がはばたき学園を卒業する一週間前、家まで送る車の中で零一が寂しさを滲(にじ)ませて呟(つぶ)いた言葉でもあった。
「え?何か言いました?零一さん。」
しかし、彼女には聞き取れなかったらしい。
「いや、何でもない。・・・ごちそうさま。」
零一は話を切り上げるように、コーヒーの皿を、彼女の持っている盆の上に戻した。
「零一さん、あまり夜更かしはしないでくださいね。」
いつも決まった時刻に寝る零一が、遅くまで起きている方が珍しい。よほど桜井琉夏に数学教師としてのプライドを刺激されたのだろう。彼女はあまり無理をして、身体を壊さないか心配していた。
「ああ。わかった。後一問作成したら寝よう。君は先にベッドで休んでいろ。」
独身時代、零一のベッドと書斎は同じ場所にあったが、彼女が嫁入りしてからは、書斎と寝室は分けられた。
寝室と書斎が一緒では、教師としての仕事をする時に部屋が明るくなり、新妻が寝られなくなるという彼の配慮からだった。

再び零一が眼鏡をかけて、問題用紙に取り組もうとした時だ。
「あの・・・零一さん?」
とっくに出て行ったと思っていた彼女が、まだ開いたままの書斎のドアの前に立っていた。
「まだ何かあるのか?」
生真面目に彼女の方へ振り返って、零一は尋ねた。
眼光が鋭くなっている。教師として仕事をする時の証だった。
「理事長の言っ・・・・、いえ、・・・何でもありません。・・・あの、・・・最近の零一さんとても楽しそうだなあって・・・。」
「そうか・・・?」
「はい!」
満面の笑みで彼女は返事をして、部屋を出て行った。

閉じたドアにもたれたまま彼女は「う~ん。」と小さく唸った。
はばたき学園に在籍していた時に理事長にかけられた言葉を思い出す。
『氷室先生が目を輝かしているから、試験が近い。』と。
その時は、氷室先生はきっと楽しそうに問題を作成しているんだろうなあ、とぼんやりと思うぐらいであったが、初めて目の当たりにした時はいくらのんびり屋の性格の彼女でも驚いた。
いつもの期末試験の問題なら嬉々とした顔で作成しているが、数学教師としてのプライドをかけた問題を作る場合の零一は、お化け屋敷で彼女を驚かしたあの顔で、不敵に笑っているのとそっくりだと思った。
『”怖い”なんて、やっぱり言えないなあ・・・。』
それがとても楽しいからきっとこういう風になるのだろうが、とても不気味で怖いから止めてくれとは口に出せない優しい性格の彼女であった。


FIN


<あとがき>
私は問題作成している時のてんてえは、きっと楽しそうに目をキラキラさせていると思いますが、敵、というか自分の気に入った相手に対しての難度の高い問題作成する時の顔はたぶんこうなるのではないかと、勝手に思ってます。
それか、ロマンチストの理事長がオブラートに包んでこう言ったか・・・どちらにしても、氷室先生のファンの方ごめんなさい(^^;)
個人的にはGS3をやって氷室先生のネタがとても豊富に沸いてくることが大変嬉しい今日この頃です(笑)
GS3の楽しむ方法を完全に間違ってますけどね(^^;)
※8周年記念SSということで、一応フリー配布してます
よろしかったらどうぞ~♪
<2010/7/20>

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